クリーニング店の染み抜きはプロの技
クリーニング店の染み抜き加工とは？
家庭で染み抜きをするための情報は今や書籍やインターネット上にあふれていますが、本来染み抜きというのは、国家資格を取得したクリーニング師が持つ知識と高度な技術に加え、豊富な経験を必要とするものです。
クリーニング師は、まず染みがついている衣類に使われている繊維の種類と特性、衣類の状態、油性・水性・色素・漂白といった染みの種類などを見極め、すべての条件を総合的に判断して、使用する薬品と染み抜きの方法を決定します。
そしてクリーニング店で染み抜きを行う際には、輪染みになりにくいように染みを下から吸い込む機械や、水に圧力や振動を加えて染みを取り除く機械、溶剤を使って圧力をかける機械などを使い、さらに細かい作業ではナイロン筆やヘラ、ブラシなどを使います。また家庭では手に入らない専用の染み抜き剤や漂白剤を使います。
染み抜き加工とは、プロが専用の道具と薬品を使用し、その技術を駆使して挑む、とても繊細で難しい作業なのです。ひとつひとつの染みの付き方は千差万別であり、いくらプロでも経験がないと失敗してしまう理由はそこにあります。裁判官が判例を経験して法律の解釈を学んでいくように、クリーニング師も多くの染みに対峙して、素材を傷つけずに染みだけを落とす技術を身につけていくのです。
よくある失敗！こうなる前にプロにお任せしよう
ちょっとした染みなら家でも落とせるだろうと自分で染み抜きをやってみたら、衣類をダメにしてしまった！という経験は誰にでもあると思います。
市販の染み抜きタオルを使ってこすってみたらクリーム色の麻のワンピースがそこだけ白くなってしまった、塩素系の漂白剤でジーパンを染み抜きしようとしたら、地の色が抜けてしまった、蛍光剤入り洗剤を染み抜きで使ったら、そこだけうっすら白っぽくなってしまった、除光液で染み抜きをしたら生地が溶けてしまった、シルクのシャツに付いた小さな染みをこすったら輪染みになりどんどん広がってしまった、などなど。
市販の染み抜き用タオルや染み抜き洗剤などは、種類によって絶対に使ってはいけない素材があります。色柄物専用と書いてあるものでも、その衣類の染色が弱ければ脱色を起こす場合もあります。染みの種類に合った薬品を選んでも、薬品と生地の相性が悪ければ、その衣類はもう二度と着られなくなってしまいます。
染み抜きに失敗してしまった衣類をクリーニング店に持ち込んで修復してもらえる場合もあれば、プロの手にかかってもどうにもならないものもあります。そうなってしまう前に、染みが付いてしまった時点でプロの手に任せるのが賢明でしょう。
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